2007年04月06日

レーシックとマーケティング

みなさん,こんばんは.

年度初めで仕事がばたばたしたり,妹の引越し手伝ったりと,中々更新ができない状況です^^;A

さて,先日,医療マーケティングセミナーというものに参加してまいりました.

詳しい内容については,同セミナーに参加されたエイジさんのレポートを参照にしてもらいたいと思いますが,このセミナーで一番のポイントは,「レーシックの価格」だと思います.

レーシックと価格については,以前も何度か取り上げさせてもらいました(参考1参考2)が,現在の価格競争は我々患者にとっても好ましいのか?という疑問が常にありました.

確かに価格が下がることによって,レーシックを受けやすい環境が作り出されていることは,患者にとって好ましいことだと思います.

が,何かを見落としいるのではないか?という疑問が常に頭の中を巡っていました.

そんな疑問を裏付けるかのような資料が当日のセミナーで出てきました.

それはこれです↓



これはアメリカの実例なのですが,2000年をピークにして,2003年まで患者数(黄色の棒グラフ)が減少しています.

この時に何があったかというと,2000年にレーシックの平均価格が2,100$から1,800$へと急激に減少し,2002年には1,600$まで減少しました.

このグラフから読み取れることは,レーシックの値段が下がるにつれて,レーシックを受ける患者数が減少していることです.

ここで問題となるのは,市場規模で,1999年から2002年までの市場規模を概算すると,以下のようになります.

1999年 21億$(平均価格2,100$)
2000年 25億$(平均価格1,800$)
2001年 21億$(平均価格1,600$)
2002年 19億$(平均価格1,550$)

すなわち,価格を下げればさげるほど,レーシック市場規模が急速に縮小していくということです.

何が問題?と思う方もいるかもしれませんが,我々患者にとっても大変重要な問題です.

なぜならば,「レーシックを受けたはいいが,クリニックが潰れてしまった」という大変なリスクを抱えてしまうことになるからです!

本ブログでも述べてますが,「レーシックはリスクが伴う医療サービス」です.

そのため,レーシックでは適応検査や術後定期検診,最新の技術導入という形で,患者のリスクを軽減するためのサービスが必要となります.

しかし,市場規模が縮小し,そうしたリスク回避のための費用が調達できなくなれば,クリニックの内部留保を削って費用を捻出するか,リスク回避のためのサービスを縮小するという手段をとらざる終えません.

すなわち,市場規模の減少は「価格は安くなれども,患者が負うリスクは高まる」という現象と捉えることができるわけです.

さて,日本の現状はどうなのでしょうか?

こちらについては,データがないため,なんとも申し上げられませんが,この2年間レーシックブログを運営してきた経験的な感想を申し上げれば,「価格の低下と共に,医療サービスの低下」が起こっていると思われる兆候もなきにしもあらずです.

そんな中,アメリカは業界全体が協力して対策を協議し,2005年のレーシック市場は,手術費用は2003年に比べて約25%増,年間130万症例と,レーシック市場が順調に回復してきているようです.

とはいいつつ,日本のレーシック業界は低価格へとドンドン突き進んでいます.

ですから,これからレーシックを検討される方は「安いから」ではなく,「なぜ安いのか?」さらには「適正価格か?」ということを個人で判断しなければならない時代ということを肝に銘じておく必要があると思います.

レーシック市場のいち早い健全化を期待したいものです.






 

 


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posted by でぃえら at 23:27 | Comment(2) | TrackBack(0) | レーシックコラム | お問合せ
この記事へのコメント
こんにちは。
はじめまして。

レーシックについて調べているのですが、質問させてください。

アメリカの場合は、手術費用が下がると患者が減っています。日本の場合は費用が下がるに従い、患者数は増えています。この違いはどこからくるのでしょうか?

また、”これからレーシックを検討される方は「安いから」ではなく,「なぜ安いのか?」さらには「適正価格か?」ということを個人で判断しなければならない時代ということを肝に銘じておく必要がある”とありますが、レーシックに限らず、ものの適正価格を調べるのはむずかしいと思うのですが、個人で判断する方法はどうすればいいのでしょうか?

よろしくおねがいします。
Posted by ST at 2007年05月31日 10:48
ST様

コメントありがとうございます.

まず「日本の価格と患者数」の件ですが,アメリカでも,低価格化が始まった当初は,患者数が伸びておりますので,日本は現在その段階にあるのではないかと思います.

次に「適正価格」については,仰られるとおり判断が難しいかと思います.

ただたとえ価格で最初は飛びついても,実際に説明会や適応検査を受けたときに,自分が思っていたのと違うとか,信用できないと感じるというケースもあると思います.

というのも,価格を下げるとどこかで帳尻を合わせなければならなくなりますので,説明が不十分であったり,検査が雑になったり,社員教育がなっていないという弊害が出て来ると思われるからです.

その場合は,患者が望む医療サービスを提供できないクリニックだと思いますので,控えられるとよいかと思います.

最近は適応検査を無料で実施するクリニックが多いですので,いくつかのクリニックを訪問されて,比較検討するというのも有効だと思います.

クリニックを回る時間がない方は,いくつかのクリニックの情報を収集し,手術費用を単純に比較するのではなく,それに含まれるサービスが何かを考慮した上で,比較されるとよいと思います.


余談ですが,レーシックの価格はクリニックが自由に決定できますが,ある関係者の話では,「あそこが20万だから,うちは10万」というような感じで価格設定がされることも多いようです.
そうした話聞くと,あまりにも安いところは赤字覚悟でやけっぱちなのかな?と考えてしまいますね^^;A
Posted by でぃえら at 2007年05月31日 13:46
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